横浜バス事故について

横浜の路線バスで、大きな事故がありました。

大変心が痛みます。

色々な原因があるだろうと思いますし、詳細なところはこれから警察の調査などで明らかになっていくんだろうと思います。

ただ、背景に全国の路線バス運転士共通の問題があって、これを掘り下げないと同様の事故が起きる確率が減らないと思います。ここでは、どのような問題があってこれからどのように対応していけばよいか、個人的な考えを書いていこうと思います。

(1)睡眠時無呼吸症候群について

今回の事故では、運転士が「睡眠時無呼吸症候群」の治療中であったとのことです。

「睡眠時無呼吸症候群」は、睡眠時呼吸が止まる時間が発生して日常生活にも集中力を欠いたりとバス運転士には天敵となる病気。今回はおそらく運転士が意識を失ってしまったんだと考えられます。

運転士は座り仕事ですから、どうしても食べ過ぎで太ってしまう運転士が多いです。

太ると気道が狭くなるのか、睡眠時無呼吸症候群になってしまう確率が上がります。

バス運転士は全国的に不足で、睡眠時無呼吸症候群の人を運転させないことができるほど人の余っている会社はないでしょう。

会社としてできる対策は運転士の治療の状態を管理することと、「肥満」が原因のひとつですから、積極的に運動を進めるしかないです。休憩室に筋トレや運動できる設備を設ける。地域のスポーツクラブと提携する・・など。会社の金銭的な体力がないとできないですが。。

(2)運転士の睡眠不足?について

今回のバス事故の報告書で、運転士の時間外勤務が月平均62.9時間、当月54.2時間とありました。結構多いですよね。

全国的にバス運転士は不足となっており、どうしても一人で担当する部分が増え、勤務時間(時間外)が増えてしまっています。

1か月の勤務時間は労使協定内だそうですが、運転士の勤務で改善基準と言われるものがあり、色々と守らなければならないルールがあります。

例えば、「勤務前日と当日の勤務時間は8時間あければよい」というルールがありますが、これが守れていてもキツイ。慢性的な運転士の睡眠不足の原因になっていると考えます。

睡眠時間にそもそも8時間は欲しいのに、通勤時間や食事・お風呂の時間などを考えるとあと前後2時間は必要と思います。このルールは泊りの仕業で行く貸切バスのみの適応とし、路線バスは勤務前日と当日の勤務時間は10時間はあけたい。しかし、いきなり8時間から10時間にすることはできないから、段階的に5年間くらいかけてでも増やしてあげたいです。ここは各社の努力範囲になってしまいますが、競争もあり自力では難しい。この状況ですから、国がルールを作って強制的にやらすしかないでしょう。

当然そのようなことをすると、運転士の勤務時間を減らさなければならないので、現在の運行ダイヤでは同じ運行をできなくなります。路線の効率化や廃止が必要になってきます。では、どこを減らすか。

「儲かるから」か、一昔前に早朝や運賃が2倍となる深夜バスを各社増発しましたが、始発を早くする・終発を遅くするとなるとキリがありません。勤務時間を減らすため、その時間帯はタクシーに任せ、バスは減便していくしかないと思います。

(3)バス車体でできる対策

今回の事故では、衝突事故が発生する200m手前で、もう既に運転士が気を失っていたのか、ガードレールや柱に接触しミラーを破損させています。

最近、乗客がバスを緊急停止させるボタンを搭載された車が開発されました。賛否あるとおもいますが、イタズラされないという条件であれば賛成です。気の利いた客が乗っていれば、今回の事故で、もしバスに停止ボタンがあれば押されたかもしれません。

また、高速バスなどに最近搭載が進んでいる車線逸脱警報装置が路線バスにもあれば、ですが。。乗務員に注意を促すだけで気を失っていたとすれば元も子もありません。

ガードレールなど、車体側面に異常に障害物が接近した時にある程度まで速度を落とされる仕組みが開発されれば、今回の件も、死亡事故には至らなかったかもしれません。

色んな側面で、色々な部門が対策をし、このような事故が少しでも減ることを願います。